弁護士バッジは、ひまわりの中央にはかりの模様を刻んだデザインをしています。ひまわりで、菊ではありません。
太陽に向かって伸びて花が開くひまわりは「自由」と「正義」をあらわしています。
はかりは、ギリシャ神話にでてくる正義の女神テミスが持つもので「公正」と「平等」をあらわしています。この正義の女神は、目隠しをして、右手に天秤、左手には剣を持っています。女神が目隠しをしているのは、社会的な地位や身分に関係なく言い分を聞いて正しい判定をするという意味があると言われています。
さて、弁護士バッジは弁護士登録をすると日本弁護士連合会から貸与されます。バッジの裏には弁護士の登録番号が刻まれていて、1人の弁護士に1つのバッジが貸与されます。バッジは純金製も特別に注文できますが、純銀の台に金メッキのものが一般的です。メッキが剥がれて銀が見え出したら一人前と言われ、若い弁護士のなかには、わざとこすって銀色にする人もいるようです。バッジを紛失したりすると、始末書を書いて再交付を受けられるようですが、幸い私はそのような経験はありません。
検察官のバッジは紅色の旭日に菊の白い花弁と金色の葉をあしらっています。通称を「秋霜烈日」(しゅうそうれつじつ)と呼び、秋におりる霜と夏の厳しい日差しを意味し、刑罰に対する厳しい姿勢をあらわすと言われています。
ちなみに、裁判官のバッジは「正しいものを照らし出す」といわれる「やた鏡」の中央に「裁」の字を配したデザインです。また、裁判官が法廷で着る服のことを「法服」と言います。「法服」が黒色なのは、他の何色にも染まらない、何を混ぜても黒のまま、つまり裁判官の公平な立場を象徴しているそうです。真夏で冷房もない法廷で着用されている裁判官の姿は、とても暑苦しいです。