新年おめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
年明け早々、カルロス・ゴーン被告のレバノン逃亡というビッグニュースが飛び込んできて、驚きました。
ゴーン被告は裁判で身の潔白を主張するとしていたのに、年末の人の出入りが多い時期を狙い出国管理の隙をすり抜けて逃亡した。このまま日本で裁判を受けさせることが出来ないとすると、日本も舐められたもんだと誰しも思います。日本の出入国管理の大失態です。
こうなった以上、逃げ得を許さないため、また日本が世界の笑い者にならないためにも、実現できるかどうかは別にして、毅然と日本はレバノンに対し身柄の引き渡しを要求し続ける必要がある。
しかし、今回の逃亡が日本の司法制度に与える影響はあまりに大きい。
これまで捜査に費やしてきた検察のエネルギーは水の泡となるだけでなく、今となっては15億円というゴーン被告にとってはした金に過ぎなかった保釈金で保釈を許した裁判所の判断は甘くなかったか、弁護団にはネットが出来ない携帯電話の使用やパスポートの保管など保釈条件の遵守に抜かりはなかったかなど、司法関係者が検証すべきことはたくさんあるように思う。
ゴーン被告から人質司法など日本の司法に対する批判がこれから始まることを覚悟しなければなりません。しかし、そのことで被疑者の取り調べに弁護士の立ち合いを認めるなど我が国の刑事司法が変わる契機になれば幸いであるが。
それにしても、これから裁判が始まるというのに、依頼者のゴーン被告に裏切られ梯子を外されてしまった弁護人の気持ちは如何ばかり、と思うのは同業者である所以か。